林田学さんの「企業情報の公開と秘密保持」(中央経済社)を読みました。 情報公開を迫るトレンドと企業秘密というとても難しい問題に著者の林田学さんは 果敢に取り組んでおられます。 林田さんはこう述べています。 『99年の通常国会で懸案であった情報公開法が、ついに成立した。情報公開法は、 行政のたとえば官官接待の問題だと思いがちだが、それに尽きるものではない。 わが国の中央官庁は莫大な量の企業情報を有しており、その情報が情報公開法の チャネルを通じて流出していくこととなる。 しかも情報公開法による情報公開は一つのエポックにすぎず、民事訴訟法の改正や PRTR法の制定さらには個別の制度をとおして、企業情報の公開は一つのトレンドとなりつつある。 こうしたトレンドの中で企業はその情報公開をどのように行うべきなのか、 また、どのように秘密を守るべきなのか。こうした点を検討するのが本書の課題である。 第1章では、東京都で施行されている情報公開条例制度を取り上げることによりその全体像をとらえ、 2001年度より施行される情報公開法では、中央官庁が有する企業情報が どの程度公開されることになるのかを検討している。 第2章では、民事訴訟法やPRTR法(日本では2001年に「化学物質排出管理促進法」として施行予定) 等情報公開に関連する法律を紹介して、各々の法律では、企業に対してどの程度情報の開示を 要求している(することになる)のかを検討する。 第3章では、IRと環境報告書の二つのシステムを紹介することにより企業が情報公開の波に乗るために するべきことは何かを考察する。 第4章では、企業が守るべき情報、いわゆる「秘密」について、自社におけるものと他社における ものの二つの観点から、企業がいかに秘密システムを作りあげればよいのかを検討することとする。 情報公開の波は今後の企業活動に大きな影響を与えていくものと思われる。』 企業が企業秘密を守っていくためにはどうしたらよいかを考えるには林田学さんのこの本はとても良い本だと思いました。